慎重派の暮らし

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【読書記録】鞠子はすてきな役立たず

こんにちは。midoです。

 

今日は、最近読み終わった面白い本を紹介します。(ネタばれ多少ありです)

 

山崎ナオコーラ 『鞠子はすてきな役立たず』 河出書房 2021年(2019年に出版された『趣味で腹いっぱい』を改題されたものです

 

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あらすじ

「働かざるもの、食うべからず」と幼いころから父親に言われてきた小太郎。自立を目指して高卒で銀行員になります。大学院卒の鞠子は書店でアルバイトをしながら、結婚後は主婦を希望しています。自分の趣味や満足を大事にしたいと考えている鞠子。価値観が全く異なる二人の生活の行方は?

 

読んでみての感想

 鞠子ほど振り切れていないのですが、私も似た立場です。主婦で、パートで、趣味がある。違う点は、パートといえど仕事も大事と考えているところでしょうか。

 

 読み終わった感想は、「私も鞠子のようになりたい!」でした。考え方が柔軟で、自由。とても素敵な女性です。「こんな生き方もあるんだ」とハッとしました。

 

 私も「働かざるもの、食うべからず」精神で生きていた時期があるのですが、無理をしてプツンと切れてしまいました。「~すべき」という考えは時に、自分を苦しめるんじゃないかなぁと思います。

 

 とはいえ、今の生活は「働かなくては食ってはいけず」なので、鞠子の性格や、趣味を大事にするところを拝借して、自分なりに今の暮らしを楽しんでいきたいです。

 

心に残った言葉

「最近、『夫は、姑ではなく妻の味方をすべし』ということがどんどん言われるようになってきているのに、『妻も、自分の親より夫の味方をすべし』ってことはなかなか言われないよね。」

 鞠子の一言ですが、「確かに~」とうなずいてしまいました。

 

「趣味によって助け合いが生じることがあるんだなあ、って気がつきましたよ。趣味って悲しい出来事があったときに役立つんですね。悲しみや悩みに直接に効く薬がなくても、別の視点や違う考えがひゅっと頭に入ってくるだけで、癒しになることがある。

(中略)

仕事だけでは救えないことが世界にはあるんでしょうね。」

 小太郎の一言。大事にしたい言葉だなぁ。

 

「稼いでいるのだ」とおごることなく、家族に対してフラットに接するのだ。生活費を渡す見返りとして、「自分を労われ」と妻に迫るのはおかしなことだった。自分で自分を幸せにしていかなくてどうする。

 私の夫は見返りを求めてくるタイプではありませんが、自分が逆の立場だったらどうだろう・・と考えさせられました。最後の一文が響きます。

 

 ナオコーラさんの小説は初めて。とても読みやすく、気付いたら、のめりこむように読んでいました。他の小説もエッセイも読んでみたいな。

 

 今日もご覧いただき、ありがとうございました。